高揚処。

みなさま各々、テンションが上がる場所がいくつかおありかと思います。


洋服やさんだったり、古本屋さんだったり、雑貨やさんだったり、不動産やさんだったり、廃墟だったり、工場だったり、競技場だったり、神社仏閣だったり、城跡だったり、古墳だったり。
高揚ポイントはみなさま多種多用。
興味ない人には一糸ひっかからない。
それが高揚処。



私もいくつかございます。
そのひとつが金物屋さん。
商店街とかに佇む、ちょっと暗めの蛍光灯でカナダライとか亀の子タワシとかとにかくゴッチャゴッチャギュウギュウ置いてると見せかけて意外と秩序ある陳列のあの、金物屋さんです。


お店のご主人が「今日はなにを?」とかニコニコして来てくれて、「煮込み用の鍋なんだけど…寸胴じゃないやつ…」とかどうのこうの言いながら一緒に選んでくれて、「こっちのがオッチャンはお薦めよ!」と安い方の鍋をゴリ推ししてくれて、お会計では「端数いりませーん」とオマケしてくれます。


この消費税8%のご時世で、「端数いりません。」
です。


ご主人がそうやってアーダコーダいろいろ一緒に選んでくれてる間、閉店の時間が来る前から奥さんは黙々と外に陳列してた商品をワゴンごと店内になおしていきます。
だもんで、分刻みで見る場所が狭められ、店内の数本あった通路は最終ひとつしかなくなるわけです。


夫婦の温度差とか、値札が全て手書きとか、箱ないよとか、そういう全てがたまらなく高揚するのです。



あ、カナモノ屋さんはですね、業務用調理器具が充実しているんですよ。だから行くんですよ。ちゃんとした目的があるんですよ。
調理器具で、ずっと使えるものが欲しいなと思った時は、是非金物やさんに行ってみてください。
レードル、トング、ホイッパー、オロシガネ、いろいろ良いものが、全然良いものっぽくなく透明のビニール袋に入ったり入らなかったりして、置いてあります。