輝く生命。

昨今では、

給食費を払っているのだから、“いただきます”を言う必要がない」
と、我が子にわざわざ提言する親御さんがいると耳にします。

実際にそういった方にお会いしたことがないので、都市伝説なんじゃないかと思うくらい驚愕なんですが。


肝心なのは、「いただきます」の前の部分。
もちろん、食事をつくった人への“いただきます”もありますが、“いただきます”の肝は、
《「命を」頂きます。》
にあると思います。
お肉、魚などはもちろん、野菜や果物、植物も完全なる命です。
その命を糧に、自分の命を繋がせて頂く。

…………


とある、規模の大きいキレイなお料理教室に、友人が行った時のこと。
1班5名で、6名のレシピを作り、先生は余ったひとり分の卵液を「これはいりませんね」と躊躇なくシンクに流したそうです。




料理で一番最初に学ぶこと。
「食材を大切にしましょう」
それは「命を大切にしましょう」ということ。


食に困らず、調理済みの美味しい食品が溢れているこの時代。魚は切り身で泳いでいる、鮭は骨がない魚、緑茶葉はお湯で溶けると思っているお子さまには実際お会いしたことございます。その想像は然るべく。知る範囲が限られていますからね。


世界が狭いのは我々大人たちの責任です。
想像の範囲を広げて、世界を広げて、全ての生きとし生けるものへの感謝をこどもたちができるように。
海洋を泳ぐ魚たちを、母乳を飲む子牛や子豚の親子を、太陽を浴び雨をうけ受粉し実らす茄子やきゅうりを、キレイなアスパラの花を。
こどもたちが想像できるように。


その輝ける命が、自分の前にあるという事実を知ることができるように。
そしたら、「いただきます」6文字の威力にも、合掌とセットが多いことも腑に落ちるはず。