午前11時02分。
今年もナガサキにサイレンが鳴りました。
終戦から70年。
齢90を過ぎた父方の祖母は、原爆手帳を持っています。
祖母から原爆の話を聞いたことは1度しかありません。
「川沿いには遺体が転がり、その数あまりにも多く、遺体をまたいで歩いた…」
涙を浮かべて話していました。
今でも辛いその記憶を、それ以上は聞けませんでした。
90才母方の祖父は、海軍所属でした。
三度、駆逐艦を撃墜され海に遭難しています。
遭難し、いっしょに救助され、傷を負った戦友が祖父の名前を呼びながら「痛い、痛い、」と言い続け、亡くなっていった。
祖父は「自分の役目だから」と戦争の壮絶を話してくれます。
そして必ず最後に、
「戦争ってそんなんよ」
と言います。
一方の善は、一方の悪で、
一方の敬愛は、一方の憎悪で、
一方の正義は、一方の不義。
自分の中にもその種があることを、心に留め、戒めます。