8月9日。

お店を開けた直後の11時02分、蝉の声と共にサイレンが鳴り響き、黙祷のナガサキです。


数年前からでしょうか。
ヒロシマナガサキ原爆資料館展示に、クレームがあるという話を聞くようになりました。
「子供がみて、トラウマで夜眠れない」
という理由だそうです。



モノの価値観というものは、人それぞれ千差万別ですから、弱輩な私がヤイノ言うことではないと思ってます。
なので、器の小さなモノのノタマイゴトとして、述べさせて頂きます。


「あなたは馬鹿か」



トラウマになるくらい脳裏に刻まなければ、狂気、残酷、悲惨、無惨、継承はできないです。
そこに原爆の現実があるのです。
特に、倫理や理想論を知らないこどもの無垢な本能で戦争、原爆=恐怖、死という直感的なモノを植えつけず、平和は保てるのでしょうか。



私も小学生の頃、原爆資料館に行き、1ヶ月は悪夢をみました。寝る前は思い出し、恐怖でした。
今でも、忘れられない場面がいくつもあります。
それこそ、行くのはー度で良いです。


でも、一度でいいですから、原爆資料館はできるだけ若い内に行って頂きたいと思います。


正直、その日の夜ごはんなんて、なんの味もしません。つらい感情が埋め尽くします。この世に楽しみはないのではないかとさえ思ってしまいます。
でも、それでも、初めて長崎に来た地元の友達には、必ずすすめてきました。
行った後の友達は皆、沈んだ顔で、でも皆、「行かなければならないところだった。知らなければいけないことだった。行ってよかった」とグッと顔を引き締めるのです。




数枚の写真、数作の絵、いくつかの残留品、原爆のほんの一部を垣間見たそれだけで、トラウマになる。それくらい恐ろしいことなのです。原爆、戦争は。
戦争を知らない私たちだからこそ、その残酷、悼みを脳裏に刻み、継承していく大きな義務を背負っていると思っています。


どうか、展示物の撤去などないようにと、願っています。