オーダーケーキ。

今回ご注文のケーキは
「素朴系林檎のタルト」


リンゴは煮すぎず、崩れない程度の歯応えを残し、タルト生地に卵は入れず、粉の味を感じるタイプ。
焼きながら何度も途中で、林檎の煮汁を刷毛で塗って染み込ませるのがポイントです。


仕上げのご指定はございませんでしたので、タルト型2台分、ドドーンとバットに敷き詰めて焼き上げました。
大きい方が林檎の詰め感、煮汁の染み込みが格段に上がります。

そしてイメージは
「欧米の児童文庫に出てきそうなおばあちゃんが作ったタルト」

ご来店頂いた時は、本のお話で盛り上がることが多いお客様。
子供の頃より趣味読書の方、ご経験あるんじゃないかしら?と思いますが、赤毛のアン大草原の小さな家不思議の国のアリスムーミン谷シリーズ、少公女セーラ……欧米の児童文学の中に出てくる「ラズベリーパイ」とか、「クランベリーのマフィン」とか、「サワークリームのパンケーキ」とか、食べたことも見たこともない美味しそうなお菓子たちを描写だけで想像し、勝手に憧れる。


お客様ともよくそんなお話で盛り上がります。
なので、大人になった今、夢に近づけたら良いなと思い思い作りました。
こんがりきつね色、林檎の甘い香りを漂わせながらドッシリ重いバットをガスオーブンから出した時は、私が物語の中に入ったようで、ワクワクしました。(思わずその時にいらっしゃったお客様に見せにいったほどで…)


ご注文頂いたお客様にお見せした第一声が、「わー!童話に出てくるお菓子みたい」だったので、私の独りよがりにならず、ホッとしました。


中をお見せできず残念ですが、約4個分の林檎がギッシリ詰まっております。